河津鉱山(かわづこうざん)
静岡県(しずおかけん)下田市(しもだし)蓮台寺(れんだいじ)
この産地は立ち入り禁止
別名
蓮台寺鉱山(れんだいじこうざん)
産状
後期 鮮新世 (300万年前, 3.0 Ma)の須原安山岩類の安山岩質火砕岩に見られる 前期 更新世 (150万年前, 1.5 Ma)の中温熱水鉱床。 母岩の火砕岩はカルクアルカリ系列からソレアイト系列で、プロピライト化変質を強く受けている。 須原安山岩類は、中新世後期(750万年前, 7.5 Ma)の湯ヶ島層群を不整合に覆う。 鉱床の年代は鉱脈中のセリサイトのK-Ar放射年代、火山岩はK-Ar放射年代およびジルコンのフィッショントラック年代による。 西北西から東南東を向く15本程度の平行な鉱脈からなる。鉱脈の幅は、平均20〜200mmで、最大10m。
北東側の鉱脈:マンガンに富み、珪化作用を伴う、大規模な鉱脈。
>>掛橋樋、大方樋、藤ヶ坑樋
中央部の鉱脈:銅に富む。
>>鶴ヶ峰樋、猿喰樋
南西側の鉱脈:テルルに富み、黄鉄鉱化作用を伴う、小規模な鉱脈。
>>大沢樋、檜沢樋
大沢鉱床の採掘跡の陥没。採掘跡を金網で覆っており、それから鉱脈をたどることができる。 ほぼ直線状なのがわかる。 このような鉱床では、鉱脈に沿ってシュリンケージ(shrinkage)法で採掘された。 シュリンケージ法は尾去沢鉱山の観光坑道内部で見学できる。
産出鉱物
- 金
- テルル
- エレクトラム
- 銀
- 硫黄
- 河津鉱
- 閃亜鉛鉱
- テルル蒼鉛鉱
- 硫テルル蒼鉛鉱
- 輝銀鉱
- ヘッス鉱
- 方輝銅鉱
- 輝銅鉱
- スティッツ鉱
- 斑銅鉱
- リカルド鉱
- 方鉛鉱
- 黄銅鉱
- ウルツ鉱
- 銅藍
- エンプレス鉱
- 輝蒼鉛鉱
- 黄鉄鉱
- カラベラス鉱
- シルバニア鉱
- 砒四面銅鉱
- ヘムズ鉱
- ウィチヘン鉱
- ゴールドフィールド鉱
- ボーダノビッチ鉱
- テルル石
- パラテルル石
- オーロラ石
- 赤銅鉱
- 轟石
- 針鉄鉱
- 水マンガン鉱
- ハイドロヘテロライト
- 角銀鉱
- 水亜鉛銅鉱
- 孔雀石
- 藍銅鉱
- 炭酸青針銅鉱
- 方解石
- マンガン方解石
- 菱マンガン鉱
- 白鉛鉱
- 亜鉛孔雀石
- サーピエ石
- ブロシャン銅鉱
- アントレル鉱
- 青鉛鉱
- デビル石
- パルノー石
- 重晶石
- 硫酸鉛鉱
- 石膏
- 鉄明礬石
- ラング石
- 欽一石
- 手稲石
- スピロフ石
- エモンス石
- 緑鉛鉱
- バリシア鉱
- 銀星石
- ビューダン石
- 異極鉱
- ヨハンセン輝石
- イネス石
- 石英
- バラ輝石
- ノントロン石
- カオリナイト
- 珪孔雀石
- アロフェン
- 氷長石
- 濁沸石
- 菱沸石
- ネオトス石
鉱物組み合わせ
- 石英(脈石) - テルル - テルル石 - 河津鉱
- 石英(脈石) - 水マンガン鉱 - 轟石
- 石英(脈石) - イネス石
- 石英(脈石) - 菱マンガン鉱 - ヨハンセン輝石
- 石英(脈石) - 閃亜鉛鉱
概要
須崎、大松、白浜、小松野、宇久須、天金などの支山が含まれる。最盛期には1,200人を雇用。総坑道延長は約84km。
産出金属
- 金: 5.4 t
- 銀: 273 t
- 銅: 1,054 t
- マンガン: 15,800 t
沿革
- 1596年(慶長元年): 鉱床が発見され、採掘を開始。
- 1914年(大正3年): 金、銀、マンガンの採掘を開始。
- 1915年(大正4年): 久原鉱業(株)(現在の日本鉱業)が買収。
- 1941年(昭和16年): 浮遊選鉱所完成。
- 1943年(昭和18年): 金山整備令により休山。
- 1945年(昭和20年): 終戦にともない採掘を再開。
- 1952年(昭和27年): 浮遊選鉱廃止。
- 1959年(昭和34年): 休止、湧出温泉を下田に給湯。
産地
- 亀山盛鉱山 (銅-鉛-亜鉛)
- 三川鉱山 (銅-鉛-亜鉛, 菱鉄鉱)
- 高見鉱山 (銅-鉛-亜鉛)
- 赤城根鉱山 (銅-鉛-亜鉛)
- 湯ノ沢鉱山 (鉛-亜鉛)
- 奥戸鉱山 (鉛-亜鉛)
- 荒川鉱山 (銅-亜鉛)
- 尾去沢鉱山 (銅-亜鉛)
- 佐山鉱山 (銅-亜鉛)
- 鷲之巣鉱山 (銅-亜鉛)
- 野洲鉱山 (銅)
- 高根山鉱山 (銅-亜鉛-マンガン)
- 河津鉱山 (亜鉛-金-テルル-マンガン)
- 万珠鉱山 (亜鉛)
- 寝姿山 (二酸化マンガン)
- 龍島鉱山 (炭酸マンガン)