土肥鉱山(といこうざん)
静岡県(しずおかけん)伊豆市(いずし)土肥(とい)
別名
土肥金山(といきんざん), 伊豆銀山(いずぎんざん)
産状
後期 中新世 (750万年前, 7.5 Ma)の湯ヶ島層群の安山岩質と玄武岩質の火砕岩に見られる 低温熱水金銀鉱床。母岩の火砕岩はカルクアルカリ系列からソレアイト系列で、プロピライト化変質を強く受けている。 湯ヶ島層群は、白浜層群により不整合で覆われる。 火山岩の年代は、K-Ar放射年代およびジルコンのフィッショントラック年代による。
湯ヶ島層群の安山岩質凝灰角礫岩に見られる金鉱床の酸化帯の露頭。 赤褐色の皮膜は、鉱脈中の黄鉄鉱などが分解して生成した褐鉄鉱。 「ヤケ」と呼ばれ、鉱床の良い目印になる。白色の部分は、脈石の石英。 ベースの明褐色の部分は、プロピライト化変質を受けた安山岩質凝灰角礫岩。
産出鉱物
- 金
- 黄鉄鉱
- トラスコット石
鉱物組み合わせ
- 石英(脈石) - 金
沿革
- 750年ごろ: 砂金が採取された。
- 1577年(天正5年): 鉱床を発見、天正鉱山として採掘開始。
- 1625年(寛永2年): 休山。
- 1685年(貞享2年): 再開し、数年採掘。
- 1854年(嘉永7年): 安政東海地震により埋没。
- 1903年(明治36年): 採掘再開。
- 1906年(明治39年): 長谷川けい次郎が、土肥鉱山として採掘を開始。
- 1945年(昭和20年): 休山。
- 1949年(昭和24年): 北部の鉱床の採掘開始。
- 1965年(昭和40年): 休山。
- 1972年(昭和47年): 観光鉱山として公開開始。