足尾鉱山(あしおこうざん)
栃木県(とちぎけん)日光市(にっこうし)足尾町(あしおまち)本山(ほんざん)
別名
足尾銅山
産状
足尾帯の中期 ジュラ紀の大間々 コンプレックスに貫入した 中期 中新世の足尾 流紋岩質溶結凝灰岩の流紋岩に伴う高温-中温熱水鉱床および 大間々 コンプレックスのチャートブロックを交代した塊状鉱床。 熱水鉱床の鉱脈は約1400本、塊状鉱床は河鹿鉱床と呼ばれ約100個確認されている。 堆積年代は放散虫化石による。 熱水鉱床は足尾 流紋岩質溶結凝灰岩の中心部が高温型で、 周辺に向かって低温になる。 備前盾山を中心として上部中心帯、中間帯、周辺帯に分けられる。
上部中心帯:錫、タングステン、蒼鉛、銅
中間帯:銅、砒素、亜鉛
周辺帯:亜鉛、鉛、銅、砒素
坑道の壁面の足尾流紋岩類の流紋岩の露頭。 青色塊状の部分は坑内水から沈澱した胆ばん。 白色の基盤は、母岩である流紋岩。
産出鉱物
- 金
- 銅
- 蒼鉛
- 黄銅鉱
- 白鉄鉱
- 硫砒鉄鉱
- 磁硫鉄鉱
- 閃亜鉛鉱
- 方鉛鉱
- 輝蒼鉛鉱
- 黄錫鉱
- 褐錫鉱
- モーソナイト
- コサラ鉱
- ラドラム鉄鉱
- 輝銅鉱
- 方解石
- 燐灰石
- 菱鉄鉱
- 赤銅鉱
- 藍銅鉱
- 藍鉄鉱
- 孔雀石
- 錫石
- 鉄マンガン重石
- 生野鉱
- 珪孔雀石
- 石英
- 緑泥石
- 絹雲母
- 黄玉
鉱物組み合わせ
- 石英(脈石) - 黄銅鉱 - 黄鉄鉱 - 磁硫鉄鉱
- 石英(脈石) - 鉄マンガン重石 - 蒼鉛
概要
江戸幕府直営の銅山として管理された後、古川市兵衛により近代化される。最盛期には40,000人を雇用。開発された鉱脈鉱床15,000本、河鹿鉱床100個。坑道総延長は約1,200km。
銅産出
- 江戸時代(1610年から1760年): 12万 t
- 明治昭和(1887年から1973年): 68万 t
沿革
- 1610年(慶長15年): 備前の農民により銅鉱脈発見、備前盾山と名づけられる。銅生産開始。
- 1647年(正保4年): 幕府直轄の銅鉱山として採掘。
- 1760年: 銅生産衰退。
- 1821年: 休山。
- 1877年(明治10年): 古河市兵衛により近代化。銅生産再開
- 1973年(昭和48年): 閉山。