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続成作用

化学過程(変成, 固相成長) - 埋没変成作用(低圧低温)

生成に必要な地質環境

新第三紀と第四紀の堆積物, 古第三紀以前の堆積物, 付加体

産状

埋没による続成作用を受けた堆積物に生成する鉱物。 上部からの荷重に伴った水絞り出しや粒子の再配列などによる物理的な圧密過程と、 既存鉱物の脱水過程や間隙水からの沈殿による化学的な膠結および変質過程からなる。 続成作用の後期では、加圧や温度上昇に伴って粘土鉱物が生成する。これは広域変成作用の一部とも考えられ、広域変成作用とは連続的。 続成作用と変成作用の境界は、イライト結晶度0.42、ビトリナイト反射率2.0を目安とした温度200度程度とする定義もある。 この場合、低温沸石相高温沸石相は続成作用に含まれる。 また、堆積過程での堆積物と海水の反応による海底風化の結果生成する粘土鉱物も続成作用に含める場合がある。 続成作用に関与する水は堆積物中の間隙水で、水/岩石比は10倍以下の閉鎖系での反応によって鉱物が生成する。 一方、ほぼ同じ温度圧力条件で鉱物組み合わせも似ているクリストバル石帯, スメクタイト帯束沸石-モルデン沸石帯などの熱水変質に関与する水は 天水やマグマ水などの循環水で、水/岩石比は数十倍以上になり、開放系での反応によって鉱物が生成する。 続成作用の鉱物反応は、70度以下の初期続成作用と70度以上の後期続成作用に分けることができる。 初期続成作用においては次のような粘土鉱物が生成することが知られている。 淡水中での堆積物では、降水量の多い地域でカオリナイト、降水量の少ない地域でスメクタイトが生成する。 海水中での堆積物では、スメクタイト、バーミキュライト、カオリン鉱物が生成する。 MgやFeの多い海洋底玄武岩などでは、サポナイトやセラドナイトが生成する。 後期続成作用では、初期続成作用により生成したスメクタイトからイライトや緑泥石が生成する。 イライトは、続成作用の進行に伴い、ポリタイプが1Md, 1M, 2M1と変化する。 Feに富むスメクタイトやサポナイトからは、60-70度でコレンス石が生成し、さらにコレンス石から緑泥石が生成する。

続成作用

このサイトに記載のある続成作用を受けた堆積物の分布。 黄色は第四紀, 新第三紀, 古第三紀, および付加体の分布。

鉱物組み合わせ (初期続成作用)

オパール-A, スメクタイト, サポナイト, カオリナイト, セラドナイト

鉱物組み合わせ (後期続成作用)

イライト, 緑泥石, コレンス石

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