酢川(すかわ)
山形県(やまがたけん)山形市(やまがたし)蔵王温泉(ざおうおんせん)
産状
蔵王火山の後期 更新世 (5万年前, 50 ka)の酢川岩屑流堆積物の底部が熱水変質を受けて生じた粘土化鉱床。 粘土中に石膏が見られる。 酢川岩屑流堆積物は前期 更新世 (100万年前, 1.0 Ma)の滝山溶岩類の崩壊物で、 低アルカリソレアイト質の玄武岩からなる。 蔵王火山は、後期 更新世 (100万年前, 100 Ma)より活動している活火山。 酢川岩屑流堆積物の年代は炭素年代、滝山溶岩類の年代はK-Ar放射年代による。
変質を受けた酢川岩屑流堆積物の露頭。 白色から淡褐色の母岩は玄武岩が酸性熱水による変質を受けた粘土。多数みられる透明から褐色の柱状結晶は石膏。 たとえば右上やコインの右にみられるように、石膏は粘土化をまぬがれた玄武岩の岩片と思われる粒子を核として、放射状に成長しているのがわかる。
産出鉱物
- 石膏
- 黄鉄鉱
鉱物組み合わせ
- 石膏 - スメクタイト
- 玄武岩(母岩) - 黄鉄鉱