噴気性鉱床
化学過程(気相成長) - 地上堆積
別名
昇華鉱床
生成に必要な地質環境
産状
活動中の噴気孔周辺において、火山ガスの昇華により生成した鉱物。 火山ガスの昇華により直接生じる鉱物の他に、火山ガスと空気が混合することにより生成する鉱物も含まれる。 400度以下の低温ガスからは、硼酸石、硫黄、硫酸塩鉱物などが知られている。 400度以上の高温ガスからは、岩塩、カリ岩塩、赤鉄鉱、磁鉄鉱、クリストバル石、藍水鉛鉱、鉄マンガン重石、錫石、 輝水鉛鉱、黄鉄鉱、などが知られている。 かんらん石、頑火輝石、灰鉄輝石、エジリン、普通輝石などの苦鉄質珪酸塩鉱物が安山岩質マグマの噴気孔では昇華鉱物として見られることがあるが、 流紋岩マグマの噴気孔では見られない。 特に硫黄は鉱床を形成するほど大量に沈殿することが知られているが、火山ガス中の硫化水素と空気中の酸素が反応してできると考えられている。
2H2S + 3O2 → 2H2O + 2SO2
SO2 + 2H2S → 3S + 2H2O
噴気性鉱床の分布。火山フロントより大陸側(東側)に並ぶ火山の分布とほぼ一致する。 緑点がこのサイトに記載のある鉱床の位置。黄色の線は火山フロント。
産出鉱物 (400度以下)
- 硫黄
- アルノーゲン
- 鉄明礬石
- 明礬石
- 明礬
- 硼酸石
産出鉱物 (400度以上)
- 岩塩
- カリ岩塩
- 硫酸鉛鉱
- 酸化モリブデン鉱
- 赤鉄鉱
- 磁鉄鉱
- クリストバル石
- 藍水鉛鉱
- 鉄マンガン重石
- 錫石
- 輝水鉛鉱
- 黄鉄鉱
- 閃亜鉛鉱