仏子(ぶし)
埼玉県(さいたまけん)入間市(いるまし)仏子(ぶし)
産状
前期 更新世 (180万年前, 1.8 Ma) の仏子層の凝灰質砂岩中に見られる 生痕化石である Psilonichnus isp. が続成作用によって菱鉄鉱に置換されたもの。 Psilonichnus isp.は、一般に穴蝦蛄(あなじゃこ, Upogebia major)の巣穴だと言われているが、 アナジャコ属(Upogebia属)のほとんどの種はほぼ同じ巣穴を作ることが知られているため、巣穴から種の推定はできない。 仏子層は、上総層群の最下部である飯能礫層を整合に覆う、陸成から浅海性の堆積物。

仏子層の凝灰質砂岩の露頭。 凝灰質砂岩には、火山灰中の普通角閃石も見られる。 たくさんみられる棒状に飛び出ているものが巣穴の生痕化石のPsilonichnus isp.。 巣穴自体は、淡褐の菱鉄鉱で埋められて硬くなって飛び出ている。 すぐ上位には亜炭の層がある。地元では蛇糞石と呼ばれている。
産出鉱物
- 菱鉄鉱
- 普通角閃石
- 黄鉄鉱
鉱物組み合わせ
- 菱鉄鉱 - 黄鉄鉱