遠洋
えんよう
Pelagic
水深
漸深海 - 深海 (2,000 - 6,000 m)
堆積環境
陸から数100km以上離れた大洋底で、ごく細粒の陸源の砕屑粒子とともに、 主に石灰質、珪質のプランクトンなど、浮遊性海洋生物の遺骸が堆積する。 石灰質の堆積物の堆積速度は1,000年に0.5 - 60 mm、珪質の堆積物の堆積速度は1,000年の1 - 10 mm、 遠洋の陸源の堆積物の堆積速度は1,000年に0.2 - 60 mm。 石灰質の堆積物は、石灰質の殻を持つ円石藻や有孔虫が起源。 珪質の堆積物は、珪藻や放散虫が起源。 珪質の堆積物のうち、放散虫を主とするものは表層生産性の高い赤道付近の湧昇域、 珪藻を主とするものは高緯度地域に多い。 石灰質の堆積物は、炭酸塩補償深度 (CCD, calcite: 4,500 m, aragonite: 3,500 m)で溶けてしまうので、 3,000 - 4,000 mより浅いところにしか堆積しない。 石灰質の堆積物は大洋底に広く分布するが、大陸に付加する過程でCCD以深を通過することで溶解し、 堆積物としてはあまり残存しないと考えられている。
堆積相 (堆積物)
主に珪質堆積物であるチャート。