珪灰石 Wollastonite
福井県大野市上大納
幅50mm。方解石に伴う珪灰石。 上部の白色繊維状結晶の放射状集合が珪灰石。 周囲の白色から暗灰色の塊状の部分は、方解石の粒状結晶の集合。 下部の暗灰色の部分には源岩の堆積構造である層理がわかる。 方解石より珪灰石の方が風化に強く、浮き出ている。
I型(磁鉄鉱系列)の花崗岩の接触変成によるスカルンより。三畳紀新世(2億2000万年前, 220 Ma)の生成。
上部にバンド状にチャートなど石英を含む部分があったと思われ、方解石との反応で珪灰石が生成したと考えられる。たとえば、
3CaCO3 (方解石) + 3SiO2 (石英) = Ca3Si3O9 (珪灰石) + 3CO2
この産地の珪灰石は、1946年(昭和21年)に初めて記載された。