硫カドミウム鉱 Greenockite
岐阜県関市洞戸高見
幅30mm。硫カドミウム鉱の皮膜状集合。 粉状の黄色の皮膜が硫カドミウム鉱。 白い母岩は石英。左上などに見えるへき開のはっきりした銀灰色の部分は閃亜鉛鉱。 左上の茶色い部分は褐鉄鉱。
カルデラ複合岩体に伴うI型(磁鉄鉱系列)の花崗岩の接触変成によるスカルンと複合した中温熱水鉱床の天水酸化帯の石英脈より。
この産地の硫カドミウム鉱は、1952年(昭和27年)に初めて記載された。
一般に閃亜鉛鉱には亜鉛を置換したカドミウムが微量含まれ、 それの風化によりCdが濃集することで硫カドミウム鉱が生成されるので、亜鉛鉱床の酸化帯によく見られる。 工業用カドミウムもこれと同じく閃亜鉛鉱の精錬時に副産物として回収される。