桜石 Cerasite
京都府亀岡市ひえ田野町柿花
正式名
菫青石とインド石後の白雲母仮晶またはソーダ雲母仮晶
右の結晶の長さ10mm。ホルンフェルス中の桜石。 桜石は、ホルンフェルス中に形成された菫青石とインド石が白雲母やソーダ雲母に置き換わったもの。 中心部には高温で安定な六角柱状のインド石があり、それを核としてその周囲に低温で安定な菫青石が成長している。 インド石と菫青石は、同質異像の関係にある。 右の2つの六角柱状の分離結晶は、六角柱状のインド石の上に成長した菫青石の外形を示す。 左に試料に見えるのは、その断面。中心からはずれた断面であるため、核となったインド石の部分は見えていない。 右の試料の黒い母岩は風化したホルンフェルス。
S型(チタン鉄鉱系列)の花崗閃緑岩による角閃石ホルンフェルス相の変成を受けて生成したホルンフェルスより。 白亜紀新世(9500万年前, 95 Ma)の生成。
この産地の桜石は1979年(昭和54年)に初めて記載され、2016年(平成28年)に日本地質学会により京都府の鉱物に認定された。