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親鼻橋(おやはなばし)

埼玉県(さいたまけん)秩父郡(ちちぶぐん)皆野町(みなのまち)親鼻(おやはな)

天然記念物で採集禁止

産状

緑色片岩相の層状マンガン鉱床

後期 白亜紀 (7000万年前, 70 Ma)の高圧型の三波川変成作用により緑色片岩相の広域変成を受けた 後期 ジュラ紀 (1億5000万年前, 150 Ma)から前期 白亜紀 (1億3000万年前)の付加コンプレックスに含まれるチャート中の層状マンガン鉱床。 前期 暁新世 (6500万年前, 65 Ma)には地表近くにあったと考えられている。 変成年代は白雲母のK-Ar放射年代による。

親鼻橋

三波川変成岩の紅簾石片岩の露頭。水平な片理が見えている露頭全体が紅簾石片岩からなっている。 微細な紅簾石がふくまれており、赤く見える。大きな円筒状の穴は、ポットホール(甌穴/おうけつ、または、かめ穴)。 割れ目にはまった岩が、川の水の力で回転し、岩盤を掘りこんだ結果できたもの。

この産地のポットホールは、1906年(明治39年)に初めて記載された。

産出鉱物

  • 紅簾石
  • ブラウン鉱

鉱物組み合わせ

  • 石英 - 紅簾石 - 白雲母

沿革

  • 乙女岩と呼ばれていた。
  • 1888年(明治21年): 岩石学者である東京大学の小藤文次郎教授により、この露頭を含む日本の数か所から変成岩中の紅簾石が世界ではじめて記載される。
  • 1906年(明治39年): 考古学者で地質学者の佐藤伝蔵によりポットホールが国内ではじめて記載される。
  • 1924年(大正13年): 天然記念物に指定。
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