ハロイサイト-10Å Hallysite-10Å
群馬県吾妻郡嬬恋村干俣
幅50mm。塊状の加水ハロイサイト(ハロイサイト-10Å)。 褐色塊状の部分が微細な加水ハロイサイトの集合。周囲のピンク色の母岩は、安山岩の変質したもの。 安山岩中の白い矩形の結晶は、斑晶の灰長石。 加水ハロイサイトと安山岩の境界は、加水ハロイサイトが安山岩にしみ込んだようになっている。 黒い部分は、よごれ。
酸性熱水による変質を受けた安山岩溶岩中の加水ハロイサイト鉱床より。
この産地の加水ハロイサイトは、1940年(昭和15年)に発見された。
安山岩中の灰長石が溶脱している部分もあるので、酸性の条件で灰長石が変質して加水ハロイサイトが生成したと考えられる。たとえば、
2CaAl2Si2O8 (灰長石) + 2H2O + 4H+ = Al4Si4O10(OH)8 (ハロイサイト) + 2Ca2+
この付近は火山帯であるので、硫酸は周囲にふんだんに存在している。