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安山岩

化学過程(液相成長) - 地中閉鎖系(メルト沈澱)

定義

斑晶と石基からなる斑状組織を持つ火成岩で、SiO2 = 52-66 wt%の化学組成のもの。 下にまとめた他の特性は一般的なもので、鉱物組み合わせから岩種を予想することはできるが厳密には決まらない。

鉱物組成

苦鉄質鉱物 = 30-60 vol% (中間質)、珪長質鉱物のうち石英が0-20 vol%、長石のうち斜長石が65-100 vol%。

化学組成

SiO2 = 52-66 wt% (中性)。

組織

斑晶と石基からなる斑状組織。

生成に必要な地質環境

島弧火山, 海洋性島弧火山

産状

地表に噴出したマグマにより形成された中間質(中性)の火山岩である安山岩に含まれる造岩鉱物。 安山岩は、島弧の沈み込み帯のソレアイト系列(ピジョン輝石系列)とカルクアルカリ系列(ハイパーシン系列)のマグマ活動に伴う。 ほとんどの安山岩はカルクアルカリ系列のマグマの結晶分化により生成すると考えられているが、一部にソレアイト系列のマグマの結晶分化によるものがある。 ソレアイト系列(ピジョン輝石系列)ではマグマの分化に従いSiO2が増加せずにFeOが増加し、 カルクアルカリ系列(ハイパーシン系列)ではSiO2が増加しFeOが増加せず、それぞれ鉱物組み合わせが異なる。 また、最近ではマントル物質から直接安山岩質マグマが生成することが議論されている。 例えば、島弧の背弧側の40Maより若いスラブが溶融して発生した安山岩はアダカイト(Adakite)と呼ばれ、高Sr/Y比を持つ。 また火山フロントより海溝側にみられる、高マグネシウム安山岩もその例とされている。

安山岩

このサイトに記載のある斑晶鉱物を伴う安山岩の分布。 黄線は火山フロント。

鉱物組み合わせ (斑晶)

ソレアイト安山岩: 斜長石 (灰曹長石-曹灰長石), 単斜輝石 (ピジョン輝石, 普通輝石), 斜方輝石 (紫蘇輝石), 磁鉄鉱, (かんらん石, 柘榴石, 石英, 菫青石)

カルクアルカリ安山岩: 斜長石 (灰曹長石-曹灰長石), 単斜輝石 (普通輝石), 斜方輝石 (紫蘇輝石), 普通角閃石, 黒雲母, 磁鉄鉱, (かんらん石, 柘榴石, 石英, 菫青石)

鉱物組み合わせ (石基)

ソレアイト安山岩: ガラス, アノーソクレース, 斑晶鉱物

カルクアルカリ安山岩: ガラス, アノーソクレース, 鱗珪石, クリストバル石, 斑晶鉱物

産地

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